Marshall JCM 2000 LEAD2 チャンネルに合う歪み系エフェクターの検証
こんにちは。
今回は、「Marshall JCM 2000 LEAD2 チャンネルに合う歪み系エフェクターの検証」について書きたいと思います。
ここ2、3年くらいは歪み系のエフェクターを積極的に色々と試していますが、歪み系エフェクターを取り入れる程、エフェクターボードの重量が上がってしまう傾向があり、一つの悩みではありました。そこで、最近は「歪みはアンプ直」でなんとかならないかと考えるようになり、「JC120」は歪まないアンプなので、歪みエフェクターが必要ですが、「Marshall JCM 2000」でブースター的なエフェクターも使用して、歪みの実験をしてきたのでご紹介したいと思います。
【今回使用する機材】
PRS CUSTOM 22(ギター)→各歪系エフェクター(ブースター)→Marshall JCM 2000
【歪み系エフェクター ※ブースター的に使用】
・Xotic / EP booster
・Leqtique / maestoso
・Carl Martin / Hot Drive'n Boost Mk3
・OneControl / Anodized Brown Distortion
・BOSS /SD1(改造)
【Marshall JCM 2000のセッティング】
チャンネルはULTRA GAIN / CHANNEL B「LEAD2」を使用します。
VOLUME=2.5ぐらい(ドラムの音量と環境によって調整)
GAIN=7ぐらい(使用するエフェクターによりやや歪み量を抑えてもOK)
PRESENS=0
TREBLE=3ぐらい
MIDDLE=3ぐらい
BASS=3ぐらい
DEEP=OFF
TONE SHIFT=OFF
基本的には、ULTRA GAIN / CHANNEL B「LEAD2」のチャンネルで歪みを作りました。そのままでも弾けなくはないですが、個人的にはサスティーンがあまりなく、弾きづらさをが解消するためにいくつかの歪みエフェクターやクリーンブースターを試してみました。
【Xotic / EP booster】
まずは、クリーンブースターであるXotic「EPbooster」をON。(EPboosterのモードはスタンダードで使用してます)若干ですが、アンプの歪みに低音が加えられました。さらにツマミを12時くらいに上げて行くと、アンプの歪みに丸い飽和感が上がってくる感じがしました。やや飽和感や低音がプラスされることで、やや弾きやすくなりました。「EP booster」は、個体差があると言われている「Marshall JCM 2000」の歪み補正で使用するといいかもしれません。アンプ直に使用して初めて「なるほど」といった感じがしました。
【Leqtique / maestoso】
次にLeqtique「maestoso」をブースターとして使用してみました。このエフェクターはTS系ODではありますが、ハイゲインなのが特徴です。はじめは、GAINのツマミを12時くらいにセッティングしていましたが、ONにするとアンプがハウリングしてしまいました。9時くらいにセッティングし直しました。また、LEVEL(出力)も高めなので、8時あたりまで下げました。ブーストしてみると、歪みが固まってしまいあまり好ましくないサウンドになってしまいました。もう少し調整を探るといけるのかも知れませんが、アンプ直での歪みを前提で使用するには難しいかもしれません。むしろ、セッティングの全体的な視点で言えば、ハイゲイン&高出力がアダになってしまっている印象がありました。
【OneControl/ Anodized Brown Distortion】
次に、OneControl 「Anodized Brown Distortion」を試しました。このエフェクターは同じマーシャルサウンドの傾向があるので、相性が良いかなと思い試しましたが、サウンドが固まってしまい、こちらもあまり良い結果にはなりませんでした。写真はMAXになっていますが、GAINは確か12時くらいに調整。ONにするとジリジリとした歪みが際立ってしまいました。歪みがぶつかってしまっている感じがしました。「アンプ直の歪み」+「ハイゲインオーバードライブorディストーション」の組み合わせは、相性が悪いように思います。
【Carl Martin / Hot Drive'n Boost Mk3】
次に、Carl Martin「Hot Drive'n Boost Mk3」を試しました。「DRIVE」でブーストしてみましたが、結果は、OneControl 「Anodized Brown Distortion」同様、歪みが固まったサウンドになってしまいました。「Hot Drive'n Boost Mk3」の「BOOST」はクリーンブースターになっていますが、こちらはレベルが上がるだけなので、問題なく使用できました。
【BOSS / SD1(改造)】
最後に「BOSS / SD1(改造)」を試しみました。「Marshall JCM 2000」のアンプの歪みに中域がプラスされ、やや粘りのあるサウンドになりました。アンプ直よりもさらに弾きやすくなりました。「BOSS / SD1」は、あまり歪まないオーバードライブですが、「Marshall JCM 2000」の歪みに合わせるならばこのくらいがベストだと思います。個人的には、「BOSS / SD1」常時ONにして、リードソロには「EPbooster」でブーストするという組み合わせがいいかなと実験していて思いました。
【Marshall JCM 2000 LEAD2 チャンネルでディレイ(空間系)を使用する】
「Marshall JCM 2000」のULTRA GAIN / CHANNEL B「LEAD2」では、ディレイ(空間系エフェクター)は、ディレイタイムが通常より伸びるため「センドリターン」を使用します。
今回は、たまたま持って行ったELECTRO-HARMONIX「MEMORY TOY」を使用してアンプの歪みでディレイセッティングも試してみました。
少しディレイがかかる程度にセッティングしたELECTRO-HARMONIX「MEMORY TOY」をヘッドアンプ裏にある「センドリターン端子」に繋ぎます。シールドがさらに2本必要です。シールドがない場合は、スタジオならば借りる(レンタルする)といいと思います。
「センド(アンプ側 SEND)→イン(エフェクター側 INPUT)」
「リターン(アンプ側 RETURN)→アウト(エフェクター側 OUTPUT)」で、繋げていきます。
ディレイペダルの電源は、同じパワーサプライなどから供給しますが、歪み系エフェクター、ブースターには繋ぎません。ディレイペダル単体でヘッドアンプと直接繋ぎます。※ケースバイケースですが、センドリターンする場合はフロントパネル側のリバーブは0にして切った方がいいかもしれません。
【今回の最終的なセッティング】
今回のいくつかの歪み系エフェクターの試しも含めて、「Marshall JCM 2000 LEAD2 チャンネル」の歪みを試しましたが、最終的にアンプの歪み使用時にあると便利なエフェクター(ブースター)は、BOSS「SD1」、「EP booster」、空間系ディレイ(ELECTRO-HARMONIX / MEMORY TOYはセンドリターン)となりました。
【今回のMarshall JCM 2000 LEAD2 チャンネルに合うエフェクターの検証をしてみて】
アンプの歪みをメインするならば、結果的にはブースター的なペダルがあれば十分だと感じました。また、歪みを「アンプで作る」or「エフェクターで作る」では、エフェクターの選択が全然変わってくると思います。「JC120」では、ディストーションペダルは必要ですが、「Marshall JCM 2000」の歪みをメインにするならば、「TS系オーバードライブ」「クリーンブースター」を中心に選んだ方が良いと思います。
また、今回の実験で気になったことは、「Marshall JCM 2000」のアンプ歪みをブーストすると「ノイズが多い」ことです。バンドやドラムなど、他の楽器が鳴っている時は気になりませんが、「ジー」っとした、ノイズ対策は必要かもしれないと感じました。また「Marshall JCM 2000」のアンプ歪みをメインにしたセッティングについては、今後も試していきたいと思います。