こんにちは。
jundrive3(@effectornote)です。
今回は、「BOSS OD3の素人改造で気付いたこと」について書きたいと思います。
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BOSS OD3の素人改造で気付いたこと
まず、はじめに筆者は、エフェクター製作本を読んだ程度の知識しかなく、改造については素人です。
エフェクター改造をはじめた頃はよくネットで、自作エフェクターや既製品のエフェクター改造を参考にしながら試していました。
しかし、それらは改造の部分しか書いておらず、実際は、改造によるサウンドについてわからないことが多いです。
筆者が、今回、BOSS OD3の改造で目指したかったことは、以下の通りです。
・BOSS OD3のサウンドをよりクリアにする
・低域のカットするミニスイッチの増設
・LEDの交換
・コントロールノブの変更
それぞれ、解説していきます。
BOSS OD3のサウンドをよりクリアにする
まずは、BOSS OD3のサウンドをよりクリアにする改造を試してみました。
電解コンデンサーは、電流を貯める役割をするパーツになります。
電流を貯める仕組みについてはわかりませんが、電解コンデンサーは、サウンドの音域・歪みの性質に関わってきます。
電解コンデンサーを高品質なものに交換することで、サウンドがクリアになることや、ノイズが減ります。
実際に改造したBOSS OD3のサウンドをアンプから出してみると、エフェクターの改造前と改造後とでは、スッキリしているサウンドになりました。
では、電解コンデンサーをすべて高品質なものに交換すれば、改造は成功なのかと言えばそうは言えません。
高品質な電解コンデンサーによるパーツ交換により、サウンドがクリアになる代わりに音量や歪みの幅(ツマミ加減)が小さくなる場合があります。
つまり、適当に電解コンデンサーを変えてしまうと回路の電圧などの計算が狂ってしまい、サウンドにも悪影響が出てしまうものと考えます。
電解コンデンサーによる音量変化の対処法
電解コンデンサー交換による音量や歪みが下がってしまった場合の対処法は、関連するパーツや抵抗、フィルムコンデンサー値を変更することです。
しかし、これは回路の計算ができなければ、「どんな値のパーツに交換すればいいか」「どんな性質のパーツに交換すればいいか」といった判断が素人にはできません。
交換できるようにソケットをつけて、闇雲にパーツをつけて試したこともありましたが、試せば試すほど狂ってくることが多かったです。
適切なパーツや正しい値を理解した上で、エフェクター改造をしたほうが安全だと感じました。
BOSS OD3の改造を戻す
筆者は、BOSS OD3の改造後にサウンドの違和感を感じました。
そのため、高品質の電解コンデンサーをすべて既存に使われていた安価な電解コンデンサーに戻しました。
各パーツの値も回路図を見ながら適正値に選び直しました。
既製品のエフェクターは、すべてのパーツ値が適正に計算されています。
特に、16V100μFの電解コンデンサーは、既存のコンデンサーのままにしておいたほうがいいと思います。
先述したように、高品質な電解コンデンサーに変えると、サウンドはクリアになりますが、全体的にフワッとした締まりのないサウンドになる傾向になります。
そのため、全てのパーツを高品質にすれば音が良くなるとは限りません。
また、パーツを交換した直後はいいですが、後々、サウンドがヘタってくる傾向もありました。
結果的に、BOSS OD3のサウンドをクリアにする改造は諦めました。
低音をカットするミニスイッチの増設
次は、低音をカットするミニスイッチの増設による改造を試してみました。
BOSS OD3は、低音が強いオーバードライブです。
しかし、低音が強すぎることもあるため、フィルムコンデンサーの交換により低域を調整できないか悩んでいました。
そこで思いついたのが、ミニスイッチを増設して、フィルムコンデンサーを2つ切り替える方法です。
電解コンデンサーを取り替える改造とは違い、フィルムコンデンサーを追加するだけなので、比較的リスクが低い改造と言えます。
ミニスイッチを取り付けるために、エフェクターの筐体に穴を開けるなどの手間がかかりますが、慣れてしまば意外にできるものです。
フィルムコンデンサーによる低域のカットの改造は上手くいきました。
通常BOSS OD-3とOD3改造の比較
通常のBOSS OD-3とOD-3改造モデルを比較してみました。
実際に、通常のBOSS OD3と比較すると、BOSS OD3改造モデルは、低域がカットされて、枯れたようなドライサウンドになりました。
ミニスイッチを元に戻すと、通常のBOSS OD3と同じサウンドに戻すことができます。
しかし、フィルムコンデンサーによる低音を抑えたBOSS OD3は、どこかパンチがなくなる感じもします。
改造してみるとわかることですが、低音が強いからこそBOSS OD3というキャラクターが成立しているのではと思いました。
低域をカットの改造をするのであれば、低音が少ないオーバードライブモデルを探してもいいかもしれませんね。
LEDの変更
LEDの変更をしました。
LED交換は、ハンダ吸取線を使って既存のLEDの基盤を壊すことなく取り外せば、簡単にできます。
しかし、慣れていないと失敗することもありますので、油断は禁物です。
今回は、視認性を良くするために、透明な白いLEDへ交換しました。
既製品エフェクターの改造では、LED交換はリクスが低いので、素人でもやりやすいと思います。
コントロールノブの変更
最後は、コントロールノブを変更しました。
通常のBOSS OD-3のコントロールノブは、BOSS製の黒いノブですが、白色のノブに取り替えてあります。
コントロールノブは、パーツ屋さんやAmazonで手に入れることもできるので、最も手軽に改造ができます。
また、エフェクターの印象がガラッと変わるので、やってみると面白いですね。
今回は、低域カット改造をしているため、ややライトな印象を与えるため、白色を選んでみました。
エフェクター改造を成功させるためには
エフェクターの改造は、基盤のパーツ1個の交換でも回路全体に影響します。
パーツをグレードアップした改造は、確かにサウンドが良くなりますが、パーツの適した値と計算ができて、初めて成功するように感じました。
そのため、回路の全体を把握できる理解力が必要です。
無知の状態で、基盤の一部のパーツ交換することは、よくわからないまま手術をしているようなものです。
もし、どうしても改造をしてみたいのであれば、二度手間になりますが、モディファイモデルをそっくり真似みることが一番確実な方法だと思います。
また、素人ができるエフェクター改造は、「LED交換」か「ソケット付きのオペアンプ交換」くらいまでです。
既製品エフェクターのパーツ交換は、ハンダ付けがスムーズにできれば改造は可能ですが、改造による最終的なサウンドをどうやって着地させるかは別問題です。
パーツ交換によるサウンドをコントロールできないのであれば、既製品エフェクターの改造はやめておいたほうがいいでしょう。
今回のまとめ
今回は、BOSS OD3の素人改造で気付いたことをまとめてみました。
既製品エフェクターの改造は、素人がやりすぎると失敗するリスクが高いです。
特に、サウンドに関する改造は、非常に難しいです。
もし、既製品エフェクターの改造に興味があるならば、プロや専門の人が関わったモディファイモデルの購入をおすすめします。
また、BOSSのコンパクトエフェクターでは、パーツや設計をやり直した技クラフトシリーズが発売されているので、そちらを試してはいかがでしょうか。
それでも、エフェクターを改造したいのであれば、まずは、自作エフェクター製作からはじめましょう。
まずは、自作エフェクターを1台製作してみるだけでも、エフェクターや回路図、パーツについての知識や経験が身についてきます。
失敗しても自作エフェクターなのでリクスが低いです。
自作エフェクター製作が上手くできるようになってからでも、既製品のエフェクター改造は遅くはありません。
エフェクターの改造は楽しいですが、壊してしまうリスクがあることだけは、絶対に忘れないようにしましょう。
また、既製品エフェクターを改造してしまうと、メーカー保証はなくなります。
エフェクターの改造は、自己責任で行いましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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