バンドで自分のギターサウンドが埋もれる問題〜スタジオテスト編〜
こんにちは。
今回は引き続き「バンドで自分のギターサウンドが埋もれる問題〜スタジオテスト編〜」について書きたいと思います。
バンドでギターが2人(2本)いると、どうしてもクリーンサイドのサウンドが埋もれがちになるため「TS系オーバードライブ」の組み合わせを考え、今回はスタジオでテストしてきましたので、簡単にまとめておきたいと思います。
【今回のスタジオ練習について】
今回は使用するエフェクターを変えたということもあり、バンド練習する前に個人練習でスタジオで実際の使用するアンプで音出しをしてきました。CD音源でのテストでしたが、ある程度バンドでのサウンドもシュミレーションできると考えて「Marshall JCM2000」と「JC120」の両方のアンプで今回演奏する曲(カロン/ねごと・My happy ending / Avril Lavigne)で弾いてきました。
【スタジオ練習した時のエフェクターボードとセッティング】
PRS CUSTOM 22(エレキギター)→Pedal Board Junction Box / One Control(ジャンクションボックス)→Ibanez/TS9DX(オーバードライブ)→JOYO 「Sweet Baby Overdrive」(オーバードライブ)→Xotic/RC booster(クリーンブースター)→「Marshall JCM2000」or「JC120」
※AC/DC Station4(パワーサプライ)
【Ibanez/TS9DXのセッティング】
DRIVE=10時くらい
LEVEL=MAX
TONE=10時くらい
MODE=TS9
Ibanez「TS9DX」のセッティングについては、TS系オーバードライブの前段ブースターとしてのセッティングにしました。DRIVEを控えめに、LEVELをMAXで出力を後段のJOYO「Sweet Baby Overdrive」にプラスするという考え方です。ここで大事なのはMODEを「TS9」に設定することです。Ibanez「TS9DX」は、低音が出てくるモデルなのでMODEを上げるほど低音が出てきます。低音が出れば出るほど、歪みがボワついてくるため、上手く重ねて歪みを作りたい場合は「TS9モード」がオススメです。
【JOYO/Sweet Baby Overdriveのセッティング】
Volume=10時くらい
Drive=13時くらい
Docus=12時くらい
JOYO「Sweet Baby Overdrive」のセッティングについては、こちらが後段のメインの歪みのセッティングとなります。そのため、DRIVEは13時と程よく歪む位置にしました。オーバードライブを2個重ねる時の目安のイメージとして、DRIVE(GAIN)がトータル10(MAX)になるように調整すると上手くいくような気がします。この場合ですとIbanez「TS9DX」(前段): JOYO「Sweet Baby Overdrive」(後段)=4 : 6で合計10といった具合です。
【Xotic/RC boosterのセッティング】
Gain=10時
Volume=13時
Treble=10時くらい
Bass=13時くらい
Xotic「RC booster」のセッティングについては、Ibanez「TS9DX」とJOYO「Sweet Baby Overdrive」の合わせたサウンドが万が一聞こえない場合に「RC booster」でレベルをブーストするための設定にしました。LEVEL(Volume)がややアップするイメージです。今回はXotic「RC booster」は、予備のブースターとして設置しましたのでレベルブースターとしての参考までに。「ドン!」と音を前に出したい時はXotic「RC booster」は期待に応えてくれるブースターだと思います。※現行品は「RC booster V2」
【Marshall JCM2000のセッティングについて】
今回の「Marshall JCM2000」は、CLASSIC GAIN / CHANNEL AのCLEAN チャンネルを使用します。(真ん中の黒いボタンを押さない)
VOLUME=4ぐらい(個人練習のためやや小さめ、バンドでは5〜6出ないと聞こえないと思います)
GAIN=4(クリーンチャンネルを使う時はVOLUMEとGAINは同じくらいにしています)
PRESENS=0
TREBLE=2〜3
MIDDLE=2〜3
BASS=2〜3
REVERB=3〜4(基本お好みで調整)
DEEP=OFF(低音弦5、6弦を出したい時にはON)
TONE SHIFT=ON(歪みエフェクターを使用する場合は効果がわかりにくいですが、OFFにするとトーンが上がります)
※TREBLE、MIDDLE、BASSは、エフェクター側のセッティングにも関係してきますが、「Marshall JCM2000」で エフェクターを使用するとやや全体的にトーンが上がる傾向があります。耳が痛い場合は1目盛りくらい下げると丁度よくなる傾向があります。
【Marshall JCM2000でのテストについての】
Marshall JCM2000のテストについては、普段はほとんど使わない「CLEAN チャンネル(クランチではない)」を選択しました。今までの経験上、CRUNCHチャンネルでオーバードライブを使用すると音が潰れることが多かったため、今回のオーバードライブの効果を最大限活かすためにクリーンチャンネルを使用しました。
Marshall JCM2000のクリーンチャンネルでは、Ibanez「TS9DX」とJOYO 「Sweet Baby Overdrive」の掛け合わせで作った歪みサウンドは、自宅のミニアンプで出したそのままのサウンドで出すことができました。スタジオではバンド練習の環境を意識し、CD音源を大きめに流し、アンプ側の音量を小さめにして試しましたが、小音でもはっきりと聞こえてきたので、スタジオテストでは問題なく実際でも使える組み合わせとしました。テストOKです。
【JC120のセッティング】
VOLUME=1ぐらい(個人練習のため小さめ、バンドでは2ぐらい出さないと聞こえないと思います)
TREBLE=12時
MIDDLE=12時
BASS=12時
REVERB=3〜4(基本お好みで調整)
※チャンネルリンクなし
【JC120でのテストについて】
今回のバンドでは使いませんが、JC120でも同様にテストしてみました。JC120でもIbanez「TS9DX」とJOYO「Sweet Baby Overdrive」の組み合わせのサウンドは、音がパーンと抜けてくるのは良かったですが、 Marshall JCM2000と違い、JC120特有の平面的になるサウンドが目立ちました。Marshall JCM2000は真空管アンプのため、奥行きがあるサウンドになりますが、JC120は底が浅い平面的な感じがしました。今回は、中域(ミドル)を中心に考えたエフェクター構成のため、低音が少ないことも影響しているかもしれません。もしくは、JOYO 「Sweet Baby Overdrive」のレスポンスの速さがJC120によって単調にも感じました。バンドでは上手くミックスするサウンドになるのかもしれませんが、個人でのテストは平面的な印象が気になり、この段階ではギター1人の場合ではこの組み合わせを使うかどうか悩むところです。再度、調整や改善方法を試してみたいと思います。
<JC120テストの追記>
JC120テストでの平面的なサウンドについて、改めて後日スタジオで試してきました。改善方法として「チャンネルリンク」(パッチケーブルなどを試用して、JC120のAとBの各チャンネルのスピーカーを両方から出す方法)を試したところ、平面的なサウンドはなくなりました。JC120のパキーンとした要素はありつつも、弾いていて気にならないサウンドになったたため、この組み合わせはギター1人でも問題なく使えると感じました。他の歪みエフェクターをJC120で使っていて、平面的なサウンドが気になる場合はチャンネルリンクで解消するかもしれません。ただし、JC120と相性が悪いエフェクターでチャンネルリンクするとさらにサウンドが悪くなると思います。
<JC120のチャンネルリンクの方法>
CHANNELのHIGHとLOWパッチケーブルに繋ぐとチャンネルリンクができます。
①「CHANNEL-2」の「LOW」にギターのシールドを挿します。
②「CHANNEL-2」の「HIGH」と隣の「CHANNEL-1」の「LOW」をパッチケーブルで繋ぎます。(CHANNEL-2でギターをHIGHに挿した場合は、パッチケーブルをLOWからHIGHへ繋ぐ)
③これで完成(CHANNEL-1の方はイコライジングやボリュームは0のまま)
ポイントは各チャンネルをパッチケーブルで繋ぐ組み合わせは、HIGHならばLOWへ、LOWならばHIGHへ繋ぐことです。
※今回はCHANNEL-2からCHANNEL-1へリンクしてありますが、逆でもチャンネルリンクができます。CHANNEL-1のHIGHとLOWどちらかにギターシールドを挿し、CHANNEL-2へとパッチケーブルで繋ぐこともできます。イコライジングはエレキギターを挿したチャンネル側で設定する。
【今回のまとめ】
今回のまとめとしましては、Ibanez「TS9DX」とJOYO「Sweet Baby Overdrive」
のTS系オーバードライブの組み合わせでのサウンドは音がよく抜ける(残る)と感じました。CD音源とは違い、実際のバンドではドラムがガンガン鳴っている、ベースのボンボンする重低音、ギターのバリバリのディストーションサウンド、ポンポン跳ねるキーボード、それに負けじと歌うボーカルが一度にぶつかり合うので、今回のような個人でのスタジオテストはあくまでもアンプとの相性など参考程度しかならないかもしれませんが、 Marshall JCM2000では問題なく使えたのでこの組み合わせで実際のバンドで使ってみようと思います。今回はあくまでもアンプとの相性とサウンドチェックのみで、次回はいよいよ「バンドで自分のギターサウンドが埋もれる問題〜バンド編〜」として書きたいと思います。
以上、「バンドで自分のギターサウンドが埋もれる問題〜スタジオテスト編〜」についてでした。
【追記・パワーサプライと音量について】
追記でパワーサプライについて気になったので書いておきたいと思います。今回使用しているパワーサプライはCJA「AC/DC Station4」(画像はAC/DC Station3)ですが、今回、普段組み込んでいるBOSS「ST2」を外して、Ibanez「TS9DX」とJOYO「Sweet Baby Overdrive」
に組み替えましたが、BOSS「ST2」と比べて出力(音量)が上がっていると感じました。クリーントーンとエフェクターをONの音量を同じにしてBOSS「ST2」とIbanez「TS9DX」
とJOYO 「Sweet Baby Overdrive」と比べても明らかにトータルの音量が上がっていました。以前にもパワーサプライについての記事を書いたことがありますが、CJA「AC/DC Station4」はアナログエフェクター用のパワーサプライになります。BOSS「ST2」
はデジタルエフェクターなので、CJA「AC/DC Station4」にあまり適さず出力が小さめなのではとも思いました。(アンプの音量調整つで解決できますが)パワーサプライだけでなく、JOYO 「Sweet Baby Overdrive」の出力も関係するかもしれませんが、パワーサプライだけの観点でいくと、アナログエフェクター専用ならばアナログエフェクターを繋ぐようにした方が結果的に出力が良くなるかもしれません。パワーサプライに適したエフェクターを選択することで出力を最大限出すことができるように感じます。 パワーサプライは他のモデルを持っていますが、パワーサプライについてもよくよく考えて使って行きたいと思いました。
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