エフェクターノート

エフェクターやアンプ・音作りについての実験ブログ

バンドでギターサウンドが埋もれない音作りを探して〜模索編〜

※この記事は2021年6月18日に更新されました

 

こんにちは。

今回は「バンドでギターサウンドが埋もれない音作りを探して〜模索編〜」について書きたいと思います。

【今回バンドで演奏することになった曲】

<1曲目>

カロン / ねごと


ねごと LIVEH 3 カロン

 

 1曲目のねごと「カロン」は、「ねごと」というバンドを知った曲になります。

ギター構成はパート1とパート2に分かれていますが、筆者が担当するのはパート2。

バンドスコアでは初心者おすすめ曲に入っていますが、曲のコードが難解なものが多いです。特に「E♭M7」からの「E♭m(M7)」のあたりのコードチェンジが慣れるのに時間がかかりました。

パート1はコードを省略したクランチサウンドでのパワーコードになっているので簡単ですが、パート2のコードの押さえ方は初心者には難しいと言っても過言ではないと感じました。

この曲はBPMが早いのでフレーズによっては、一気に難しくなる曲です。

 

<2曲目> 

My happy ending / Avril Lavigne


Avril Lavigne - My Happy Ending (Official Music Video)

 

2曲目はAvril Lavigne「My happy ending」になります。

個人的にはPOP PUNK系は好きなジャンルの一つでAvril Lavigneからの選曲。

こちらもパート1とパート2でギターは分かれています。

基本的にはパワーコードアルペジオでの構成が多く、テンポも100を切るスローテンポです。パート1はバリバリのディトーションサウンドですが、パート2はクリーンからクランチ程のアルペジオと単音弾きのため、音のバランスが上手くいくかが鍵になると思いました。

比較的簡単な曲ですがスローテンポは意外に難しいです。

  

【初めてスタジオ練習した時のエフェクターボードとセッティング】

筆者はいつものようにBOSS ST2をメインとしたエフェクターボードを組んで、初回のバンド練習に挑みました。

エフェクターボード

PRS CUSTOM 22(エレキギター)→Pedal Board Junction Box / One Control(ジャンクションボックス)→Purple Humper / One Control(ミッドブースター)→Power Stack ST-2 / BOSS(ディストーション)→Channel 2 / ZVEX(クリーンブースター)→Strawberry Red Over Drive / One Control(オーバードライブ)→Carbon Cory Analog Delay / MXR(アナログディレイ)→Switch Blade+ / electro-harmonix(AB BOX)→JC120

【Marshall JCM2000のセッティング】

今回の「Marshall JCM2000」は、CLASSIC GAIN / CHANNEL ACRUNCH チャンネルを使用しました。(真ん中の黒いボタンを押す)

Marshall JCM2000のセッティング

VOLUME=2〜3ぐらい(ドラムの音量とスタジオ環境によって調整しますが、今回はバンド演奏でしたのでやや音量上げても良かったかもしれません)

GAIN=1〜2(GAINを上げ過ぎるとハウリングやノイズが起こりやすくなります)

※補足:「Marshall JCM2000」は個体差がありますが、GAINを3ぐらいにするとBOSS「ST2」の歪みとぶつかりサウンドが詰まることがあったのでGAINを下げました。 歪みエフェクターを使う場合はアンプ側のGAINは下げた方が良いかもしれませんね。

Marshall JCM2000のイコライジング

PRESENS=0

TREBLE=2〜3

MIDDLE=2〜3

BASS=2〜3

REVERB=3〜4(基本お好みで調整)

DEEP=OFF(低音弦5、6弦を出したい時にはON)

TONE SHIFT=ON(歪みエフェクターを使用する場合は効果がわかりにくいですが、OFFにするとトーンが上がります)

※TREBLE、MIDDLE、BASSは、エフェクター側のセッティングにも関係してきますが、エフェクターを使用するとやや全体的にトーンが上がる傾向があります。耳が痛い場合は1目盛りくらい下げると丁度よくなる傾向があります。

  

【バンドで合わせると自分のギターサウンドが埋もれてしまった】

エフェクター構成やアンプは普段と同じでしたが、いつもと違いエレキギターが2本(2人)のバンド構成で演奏することになりました。

今回はクリーン&クランチよりのサウンドで主にコードやアルペジオ担当をしましたが、パート1のサウンドディストーション使用の歪みの場合、クリーントーンはどうしてもサウンドが埋もれがちになることに気づきました。

(自分の音が弾いているのに歪みが飽和して聞き取れない現象)

普段は、クリーンサウンドが埋もれる時の対策としてBOSS ST2のGAINが高い状態からギターのボリュームコントロールを絞って、艶のあるクリーントーンで対応してきましたが、今回ばかりはそれでも難しいと感じました。

カロンで弾いているクランチサウンドのコード弾きは、パート1+他のパートが入るとほとん聞こえない状態になってしまいました。

カロンの動画はエレキギターが1本のためちゃんと聞こえます。

 

 

クリーントーンが埋もれる原因を考える】

バンド初回練習ともあってバンド全体の音量バランスが甘いということもありましたが、ディストーションを使ったパワーコードVSクリーントーンアルペジオでは完全にクリーントーンディストーションに負けてしまうと感じました。

全体的に歪み側の音量がやや大きすぎることもかなり影響されてるようにも思います。今回メインで使っているBOSS ST2のサウンドともう一人のエレキギターが使っているRAT系のディストーションエフェクターサウンドがBOSS ST2と似ている歪みのため、馴染んでしまっていることが原因だと感じました。

結果的に、初回のバンドとしての演奏の印象は、なんだか低音がボワッと鳴ってるだけの華がないマイナー感をさらに暗くするような曲になってしまいました。

全体的に音量を下げて、こちらのクリーントーンの音量を少し上げれば現状のエフェクターエフェクターボードで解決するかもしれませんが、まずは自分の機材で埋もれない方法を考えてみることにしてみました。

 

【帰ってエフェクター構成を新たに模索しました】

エフェクターを試しているところの画像

初回のバンド練習を反省して、馴染みのBOSS「ST2」を外して新たなメインのエフェクターを模索してみました。

低音の歪みが多い状態なので、真っ先に思い付いたことはミッド(中域)に集中したサウンドエフェクターで作ることです。

以前の実験でTS系オーバードライブを2個を重ねがけしたことを思い出し、現在手元にあるTS系オーバードライブを2個組み合わせて音抜けを良くする構成を色々試すこと数時間、意外なエフェクターがマッチしました。

 

 

【そのTS系オーバードライブのその名は】

筆者の中でしっくりきたTS系オーバードライブはJOYO 「Sweet Baby Overdrive」でした。 

JOYO Sweet baby overdrvieのエフェクターの画像

JOYO 「Sweet Baby Overdrive」は、今までは「JC120」にテストのみで使用し、本家のMad professor「Sweet honey overdrvie」の比較用で収納しておりましたが、今回試して見ると思っていた以上にレスポンスが良くハッキリしたサウンドを出すエフェクターだと感じました。

また、ギターのボリュームコントロールの追従性も高いことに気づき、操作性がBOSS ST2の感覚に近いと思いました。

 

 

 【Sweet baby overdrvieと相性が良いTS系オーバードライブを探す】

 1個目をJOYO「Sweet baby overdrvie」でメインにし、ブーストするための2個目のTS系オーバードライブをいくつか組み合わせて探して見ました。

Ibanez「TS9」、Maxon「ST9pro+」、 One Control「Purple Humper」、TRIAL「Poket TS」など手元にあるもので試して見ましたが、1個だけJOYO「Sweet baby overdrvie」と歪みを重ねた時に納得するサウンドがでるTS系オーバードライブが見つかりました。

それは、Ibanez「TS9DX」でした。

Ibanez TS9DXのエフェクターの画像

他のTS系ODと組み合わせて何度も繰り返しテストしましたが、Ibanez「TS9DX」のTS9モードでないと納得するサウンドになりませんでした。

Ibanez「TS9」とも比較しましたが、Ibanez「TS9」とJOYO「Sweet baby overdrvie」の組み合わせはややボワつくため、Ibanez「TS9」よりもスッキリしているIbanez「TS9DX」のTS9モードの方がオーバードライブを重ねた時に最適なモードだと判断。

この組み合わせで、2個同時ONにするとサウンドがこもることなくディストーションサウンドまで出すことができました。

また、この状態からギターのボリュームコントロールを絞ると、クリーントーンまでとは行きませんが、艶のあるクランチサウンドまで出すことまでできます。

そして、この組み合わせを選んだ決定打として、他のどの組み合わせよりもサウンドがミニアンプの小音状態でも抜けてくるため、バンドの轟音の中でも埋もれずにサウンドが出てくるのではと仮説を立てることができました。

  

次回は「バンドでギターサウンドが埋もれない音作りを探して〜スタジオテスト編〜」について書きたいと思います。

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