※この記事は2022年5月20日に更新されました。
こんにちは。
今回は「はじめての自作エフェクターでディストーションを作ってみた【HARD DIST】」について書きたいと思います。
自作エフェクターは、秋間経夫の「初めてのオリジナル・エフェクター&ミニ・アンプ製作」の中から「HARD DIST(ディストーション)」を選んで製作しました。
<目次>
HARD DIST(ディストーション)について
「HARD DIST」は、本によると「非常に使いやすいきれいな歪み系エフェクター」と書かれています。
特徴としては、「シリコンダイオード」ではなく「ゲルマニウムダイオード(1N60)」を使用し、暖かみのある音色がでるディストーションペダルになります。
シンプルにDRIVE(歪み)、LEVEL(出力)のツマミのみの構成になります。
HARD DISTの回路図と基盤図について
回路図については、全くの素人なので、見てもさっぱりわかりませんでしたが、イラストのパーツ構成を見ながら作業をはじめました。
何のパーツかはわかりますが、どこがどう繋がっているか理解するのに時間はかかりそうです。
(色々試したパーツや値が付箋で貼ってあり苦戦したことを物語ってます)
基盤図はパーツが割と少なめで、はじめて自作エフェクターでディストーションを作るには入りやすいと思います。
HARD DISTの製作期間と音が出るまで
製作期間は1〜2週間くらいで、一通り製作した記憶がありますが、自作エフェクターで当たり前とも言える「音が出ない」というトラブルに遭遇してしまい、結果的には1ヶ月ぐらいかかりました。
完成したはいいけれど、音が出なかったら、なんの意味もないのがエフェクター。
音が出なかった時の挫折感は強烈なのを覚えています。
もう一度、パーツや回路・配線をイチから見直し、基盤を新たに作り直し、再トライを繰り返して、ようやく完成に至りました。
(つい嬉しさのあまり裏ブタに落書きと製作日を書いてあります)
HARD DISTのセッティングについて
GAIN(歪み)=MAX10でハイゲインになります。
8あたりでは少し強いオーバードライブですが、9あたりから急激に歪みます。
自作なので可変がデタラメですが、クランチ1〜6、オーバードライブ7〜8、ディストーション9〜10で、GAINの変化は極端ですが、MAXにすればギターボリュームには反応します。
キレイなクリーントーンになります。
LEVEL(出力)=11時くらいがアンプと同じ出力レベルです。
かなり出力は大きめ(に改造しました)です。
HARD DISTを試行錯誤してモディファイ(改造)する
音が初めて出た時は、すごく感動しましたが、問題点がありました。
歪みは他と比べものにならないくらいキレイでしたが、LEVEL(出力)をMAXにしても、 音が蚊のように小さ過ぎる点でした。
その時、既存ペダルのモディファイの研究や実験もしていたので、BOSS「DS1」Keeley.Modを応用して、「HARD DIST」をモディファイしてみました。
モディファイ部分①シリコンダイオードとフィルムコンデンサー交換
まず、「HARD DIST」の「ゲルマニウムダイオード(1N60)」の一方のダイオードを「シリコンダイオード」に交換し、出力を上げることができました。
「シリコンダイオード」にすると出力が上がるようです。
次に、低音がもう少し出したかったので、音域に関連する「フィルムコンデンサー」の値を上げて、交換しました。
結果、歪みもやや荒々しくなりましたが、弾きごたえあるサウンドになりました。
モディファイ部分②ミニスイッチの増設
さらに出力を上げるため、ミニスイッチに LEDダイオードを設置しました。
これは、BOSS「DS1」Keeley.Modの方法を取り入れました。
↑上がっていると通常の状態。
「ゲルマニウムダイオード」と「シリコンダイオード」の組み合わせになります。
↑下げるとダイオードが「シリコンダイオード」と「LEDダイオード」の組み合わせに切り変わり、出力がさらに上がります。
出力が大き過ぎて使わないことが多いですが、ミニスイッチの増設によりさらに出力が上がりました。
以上のモディファイを行った結果、ようやく普通に使えるエフェクターになりました。
(ただし、この方法はあくまでも勘で改造し、奇跡的に成功したのであまり再現性はないと思います)
HARD DISTを実際に弾いてみて思うこと
自作エフェクター「HARD DIST」を弾いてみて思うことは、高品質パーツで製作したということもあり、ギターの原音の再生がものすごく綺麗に出力されるなと感じました。
今まで何十台もの歪み系エフェクターを試しましたが、歪みの美しさ(透明感)は、手持ちの歪みエフェクターの中では「HARD DIST」が個人的には一番になっています。
透明感があり、ギターの原音が美しく聴こえ、さらに綺麗に歪む。
理想のディストーションではありますが、トーン調整ができないことや「JC120」で試すと、歪みのピークがファズっぽく潰れてしまう点があり、実用的には使うまではいかないなと思っています。
自作エフェクター「HARD DIST」を製作してみて思うこと
自作エフェクターを製作してみると、普段何気に使っているエフェクターの見え方が変わってくるように思います。
ハンドメイド系のエフェクターの基盤をみると、今回使用した同じ高品質パーツが使用されていたりします。
モディファイでも色々試しましたが、高品質パーツ(コンデンサーやオペアンプなど)で、音は変わります。
高品質なパーツにするほど、音が綺麗に澄んでゆく傾向があると感じます。
回路図を理解することができれば、オリジナルのディストーションを作れるかもしれませんね。
歪み系エフェクターを知るためにも、一度、自作エフェクターを作ってみることはオススメです。
音が出た時は、本当に感動します。
是非、自作エフェクターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。